自分を護ることができた
ふざけた男に出会った。
そろそろ出会いを求めなくてはと思い、マッチングアプリを始めた。
その中で一人の男性とマッチングしてやり取りをしていた。
写真を見ると好青年に見えた。
実際会ってみると話が楽しくて優しそうで誠実そう、そして笑顔が素敵だった。
だから私も徐々に惹かれていって、もっと仲良くなれたら良いなと甘い夢を見ていた。
だけど、それは見事に打ち砕かれた。
ある日その人のプロフィールを見ようとしたら「退会しました」と表示されていた。
その時点で変だなと感じた。マッチングアプリは基本複数人と同時進行なので、本命が現れないなどよっぽどのことがない限り、退会なんて易々とできないはずだ。
少し小狡いやり方だが、別アカウントを作って相手を検索したら、出てきた。
その瞬間、一気に不信感を持った。つまり、私をブロックしたのだ。
既にLINEでやり取りをしていたとは言え、わざわざブロックをする理由が分からなかった。
ネットで調べると「自分が本命だと思わせて、他の相手を探してキープにされている」という理由が一番多かった。
嘘だと信じたかった。会った時はすごく楽しかったし、また会いたいと思っていたのに、どうしてこんなことをするのか理解できなかった。
次会うのが正念場だと思った。
訪ねた時、相手は何と言うのか。どんな理由でも苦しいが、正直にブロックしたと言えばまだ許容範囲内と思っていた。だけど、辞めたと嘘をついたら言語道断だ。
そして、相手に尋ねたら息を吐くように「やめた」と嘘をついたのだ。
私は失望した。こんなに不誠実な人だったのかと。その瞬間、相手に対する期待や淡い想いが落ちていった。
辞めた理由を聞くと「もういいかなと思って」らしい。よくそんなことが言えたものだ。その後も問い詰めたが、回答の語尾が曖昧で明らかに狼狽える様子だった。
帰り際にまた会わないかと誘われて、その時は承諾したが、その後他人に相談したらその相手はやめておいた方が良いと言われて、約束を濁すことにした。
今回、感じたのは
どうしてそのような嘘をつくのか?
どうして相手に不信感を持たせるようなことをするのか?
全員がそうではないと思うが、男というのはなぜ、相手(女性)を手中に収めたと思った瞬間、また他の女性を求めようとするのか。
本当に時に男はしょうもない生き物だと感じた一件であった。
だけど、今回の一連で私は自分を護ることができたと感じた。
今までの私だったら相手の怪しい行動があっても、自分のことを好意に思っているのであればそれに応えたいと、自己犠牲を払っていた。
だけど、その結果自分を辛い目にあわせるだけだった。
それを未然に防げた。その瞬間は辛くても、後々には自分を救うことになる。
自分の成長を感じ、やはり自分のことは自分しか守れないと思う瞬間でもあった。