物語の行方はいかに(その2)
3回目は美術館に行くことになった。
少し遠いところにあったので車で移動した。初めての遠出で緊張したが、ある程度話せたような気がした。
この時から同い年ということが分かっていたが、未だに敬語だったのに違和感があった。
だから今度会うときに敬語をやめようと言うつもりだった。
3回目は告白するタイミングとも言われている。だけど私はそんなことに囚われないでほしいと思っていた。
だってまだ敬語だしあまりお互いのことも分からない状態だから告白してくれるならせめてこの次にしてほしいと思っていた。
しかし、相手は告白してきた。理由は趣味が合うことと笑顔らしい。告白してきたときは正直迷った。早くないか、距離も縮まっていないのに付き合っていいのか。
でも私はイエスの返事をした。不安な気持ちを抱きながら。
だけど、その帰りの車中は楽しかった。色んな話が出来たから。
そして同時に「こんなに一緒にいて楽だと思うのは初めてかも」とも思った。
仲良くなるのに時間がかかる私は大体気を遣っていて「何を話せばいいんだろう」と内心アワアワしているのだが、今回は違ったのだ。いつもとは違うこの様子に驚いた。
ちなみにLINEをやたら引っ張ってきた理由も話してくれた。
他の人とマッチングが成立してやり取りをしていても返事がなくなって自然消滅するなど苦い経験があったからと。私はそこで合点した、そういうことだったのかと。
こうして晴れて付き合うことになった。
相手とLINEをするようになってアプリはほとんどログインしていなかったが、久々にログインしたら相手のアカウントはまだ残っていた。
だけど、ログインはしていなかった。ふざけた男は違うことに安堵した。
それでも気持ちの上下は日々あって、まだ相手のことこの人と付き合って良かったのか。私は本当にこの人が好きなのか。という下がる気分とだけど付き合ってまだ時間がたっていないし、相手もきぅと本当の姿は出していないから、もっと仲良くなっていけば付き合って良かったと思うのではないかという上がる気分が常に湧き上がっていた。
だけど、一度嫌悪感を抱いてしまった。
相手が旅行をしたのでそのお土産を渡しがてら夜ご飯を食べようとなって、行ったのだがテンションがいつもより低い気がした。
お土産話もたくさんすると言ったのにあまりされず、私はどうしたのだろうと感じていた。黙々とご飯を食べて店を出た瞬間、手を繋ごうと言われた。
私は変にドキッとしてしまい、一応手は繋いだがすごく嫌悪感があった。
なぜかは理由は分からない。だけどそのような感情があったのは確かだった。
相手と別れた後さらに私は悩んだ。
やっぱり生理的に無理なのではないか、別れた方が良いのではないか。
ネットで何度も「付き合いたて 嫌悪感」など色々と調べた。
結論としてはこういった感情は「恋の副作用」と捉えて、少なくとも付き合って1か月経ってから別れるかどうか考えた方が良いと書いてあったので、私はもう少し様子を見ることにした。相手が気を許し始めて本性が現れるまで。
それでも微弱ながらまた会いたいという気持ちもあったのだ(続く)